急激な円高 2008 9 6
もちろん、ドルに対して円高ではありません。
FX投資家に人気がある「ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル」に対して、
8月上旬から急激な円高となっています。
チャートで見ると、まるで仕手株が最後に大崩壊するような、
一方通行で激しい円高(円に対して暴落)となっています。
もともと、こうした通貨に対して、
徐々に円安になる動きが、長期間続いていて、
実に不自然なチャートとなっていました。
8月は、FX投資家に、怪我人が続出したのではないでしょうか。
為替相場で、大やけどをした人が多かったのではないかと推定しています。
「ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル」という高金利通貨は、
日々のスワップポイントが魅力的な金額であり、
貯金代わりにFX投資を行う人が多かったと思います。
もちろん、レバレッジの倍率が1倍や2倍ならば、
急激な円高になっても問題ありませんが、
倍率が10倍や20倍となると、
もはや投資ではなく、ギャンブルの世界となります。
株式投資ですら、レバレッジの倍率は(信用取引)、
投機性を煽るということで、3倍までに制限されています。
もちろん、為替相場は、株ほど値動きがないから、
レバレッジを高くしているのでしょうが、
通貨によっては、株と同じくらいの値動きがあるものがあるでしょう。
よく、小説には、商品相場に手を出して、
資産家が破産したという話が出てきますが、
今は、FX投資家が、為替相場で似たようなことをやっています。
そもそも、金融的にも、学問的にも、
高金利には、「それなりの理由がある」と考えるべきです。
なぜ、高金利にしなければならなかったのか。
その理由を考えて、投資行動をすべきです。
金融や経済の教科書には、こう書いてあります。
インフレ率の高い国の通貨は、為替レートが弱く、つまり安くなる。
「いや、最近までは、逆の動きで、
そういう通貨でも、円に対して、強く、つまり高くなっていた」と言うかもしれません。
しかし、それは、「相場のひずみ」というものです。
時には、相場は、理論と逆に動くことがあります。
こうした「ひずみ」を利用して儲けるのが、ヘッジファンドかもしれません。
しかし、ハイリスク・ハイリターンです。
「ひずみ」が解消される時、大損します。
日本は、世界でも、有数の「低インフレ国」です。
というよりも、世界一の「低インフレ国」です。
つまり、理論的には、すべての通貨に対して、円高が進むと考えられます。
もちろん、こうしたリスクを承知の上で投資しているというのならば、
FX投資は、ダイナミックで魅力ある投資と言えるでしょう。
現代において、FX投資は、金融技術発達の成果と言えるでしょう。